相続法改正で夫婦が安心できる理由
この度、社会情勢、特に高齢化社会に対応すべく、民法のうち相続法が一部改正されました。施行日は一部を除き、令和元年7月1日です。特に亡くなった方(以下「被相続人」)の配偶者に対しての保護が厚くなっています。
この度、社会情勢、特に高齢化社会に対応すべく、民法のうち相続法が一部改正されました。施行日は一部を除き、令和元年7月1日です。特に亡くなった方(以下「被相続人」)の配偶者に対しての保護が厚くなっています。
今回の相続法改正の重要な議案の1つとして加えられたのが、「配偶者居住権」です。 これまで民法では、被相続人が亡くなった場合の配偶者の居住権については何も規定していませんでした。 その結果、これまで何十年も一緒に居住していた配偶者が、他の相続人に家を明け渡さなければいけない事態が発生しています。このような事態を解消し、配偶者の居住権や生活を保護するため、解決の糸口として検討されているのが「配偶者居住権」の新設です。
「配偶者居住権」の新設は高齢化が進む中、残された配偶者が住居や生活費を確保しやすくする狙いがあります。 遺産分割は被相続人の不動産や預貯金などの財産を相続人(配偶者や子供ら)で分ける制度です。現行制度では、財産が自宅以外に乏しかったり、配偶者と子供の関係が良好でなかったりすれば、自宅を売却して遺産分割をし、配偶者が退去を迫られるケースがあります。 配偶者が自宅の所有権を取得して住み続けたとしても、自宅評価額が高額だと預貯金などの取り分が少なくなり、生活が不安定になる恐れもあるのです。今回の改正案は、自宅の権利を「所有権」と「配偶者居住権」に分けるのがポイントです。