7月1日に、国税庁より令和元年度相続税路線価が公表されました。
この相続税路線価は相続税の申告の際に、相続財産としての土地価格を計算する際の基準となる価格(単価)です。
各年度の相続税路線価を決定するにあたってのプロセスですが、まず国税庁の税務署より委嘱された不動産鑑定士が各地区毎に10人程度のグループを組み、地価動向等についての協議を重ねます。
※私は、横須賀市・逗子市・三浦市・葉山町エリアの担当に任命されております。
協議の結果に基づき、各地区内に定められたいくつかの地点の鑑定評価額を算出し、 その鑑定評価額を踏まえ、鑑定士の意見を参考にしながら周辺の路線価を国税庁が最終決定する流れとなっております。
価格水準は、国土交通省より公表されている地価公示の価格の80%程度となるように設定されております。
昨年もここで同じ話題を取り上げさせて頂きましたが、神奈川県内の動向を見ていきたいと思います。
※各税務署の管轄毎の最高路線価という性質上、話題が商業地に限定される点をご了承ください。
令和元年度も県内唯一の1,000万円超の路線(1,160万円)で引き続きトップとなったのは「横浜駅西口バスターミナル前通り(上昇率は+13.3%で2位)」です。
神奈川の顔ともいうべき最も人通りの多く人気の高いエリアだけに納得の結果と言えるでしょう。
また価格では3位ですが上昇率ではトップとなったのが「神奈川区鶴屋町」。
+17.8%と非常に高い上昇率となりました。
この両者を結ぶエリアは現在、再開発事業が複数進行しており、
「JR横浜タワー」や「JR横浜鶴屋町ビル」が相次いで建設されることから、ますます発展が期待されています。
一方、価格で2位となったのは、昨年度に引き続き「川崎駅東口広場通り」です。昨年度はトップであった上昇率は3位。昨年度の+14.9%から+12.4%とやや落ち着きを見せ、横浜駅周辺の勢いに押された形になりましたが、依然として高い上昇率を維持しております。
横浜市、川崎市は全般的に高い上昇率でしたが、他エリアを見てみると、
「鎌倉駅東口駅前通り(鎌倉市)」は+6.6%、「藤沢駅南口広場通り(藤沢市)」は+3.4%と、 前年より上昇幅を拡大いたしました。
また、前年は±0.0%だった「小田原駅東口広場通り(小田原市)」も+1.5%となり、こちらも再開発事業の影響が強いと考えられます。
一方で「相模大野駅北口(相模原市)」、「横須賀中央駅前通り(横須賀市)」、「本厚木駅北口広場通り(厚木市)」、「平塚駅北口広場通り(平塚市)」は±0.0%。
平塚は、昨年度は+4.5%だったため、最も昨年との乖離が大きいエリアとなりました。
今年も前年同様、地価下落した地点こそなかったものの、昨年度よりも±0.0%の地点が増えたことから、県内においてはより地価の二極化傾向が鮮明になりつつあると考えられそうです。
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