先日、東京オリンピックのチケット当選発表が行われました。
実はオリンピック競技に陰ながら測量が関わっていることは知っていましたか?
テレビで観たことがある人もいるかと思いますが、
室伏選手で有名なハンマー投げなどの投てき種目の飛距離測定に
測量機器を用いた測量技術が行われています。
私が子供の頃は10メートルおきぐらいに引かれた線から、
審判員がメジャーで残り距離を測っていたと記憶していますが、
現在は測量機器からの光波測定により一瞬で距離を計測出来てしまいます。
測量というと土地の面積を測ったり(用地測量)、
建築のための柱の位置を出したり(工事測量)するのが
一般的なイメージかと思いますが、
実は色々なところで測量技術は応用されています。
山の中で山の起伏を測量したり(高低測量)、
飛行機を使って上空から測量したり(航空測量)、
現在ではドローンを使った3D測量なるものまで登場しています。
私たちはどんな目的で測量をするのかによって、どんな測量方法で行うのが最適かを考え、案件ごとに計画を練っています。
弊社で受注した案件の中には「こんなところでも?」…という測量があります。
それは、アーティストのコンサートステージ設営のための測量です。
近年、某アイドルグループを筆頭にとても複雑な形状をし、かつ移動をするステージが多くなっています。
大道具さんが昔のように経験と熟練の勘だけでは設営出来ないほど、高度に動くステージ。
位置が数センチずれてしまうだけで照明に接触してしまったり、最悪倒壊してしまう危険もあります。
そこで、私たちのような測量技術者が高い精度でステージの配置位置を示してあげることで、安全でスムーズに作動できるステージが完成していきます。
担当者は週末のコンサートに向け、週の中ごろから現地へ向かい、コンサート前日まで常駐するという過酷なスケジュールを、全国ツアーの際には毎週のように行っています。
ところで、一般的な測量機器はどのくらいの精度で、どのくらい遠くまで測ることができると思いますか?
正解は1ミリまでの精度で測れ、20メートル先ぐらいまでなら定規の1ミリの目盛を読み取れるほどのレンズ性能があり、測れる距離は数キロ先まで可能です。
測量機器の金額も気になりますよね。
安いもので100万円ぐらいから、高いもので300万円以上します。
普通に車が買えてしまう金額ですが、その商売道具で数百万、数千万と稼いでもらうわけですから、高いかどうかは使う側次第ということでしょうか。
前述の通り、現在測量を必要とするフィールドは年々広がり、測量機器の性能も併せて向上しています。
この先、多くの場で測量が求められ、安価な測量機器も登場して「一家に一台」という時代が来るかもしれません。
アナログな採寸ではなく、測量機器を使用した採寸で私のお腹周りも一瞬で計測されてしまう、なんとも不都合な時代はすぐそこまで来ています。
投稿者プロフィール
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