購入した商品に欠陥があった場合、消費者は売り手にどのような対応を求めることが出来るのでしょうか?
現行民法ではこういったケースは、契約の解除か損害賠償請求(返品して代金を返してもらったり、修理代をメーカーに請求する等)の他に規定がありませんでした。
しかし今回の民法改正では、「現実の取引と合わない部分も多く、目的物の種類・品質・数量のいずれかが契約内容に適合しない」という場合、
①商品の交換
②修理
③契約の解除
④購入代金の減額
…の請求が出来ることになりました。
請求の期間制限については「消費者が商品の引渡を受け、種類や品質の点で“不適合”だと知った時から1年以内に売り手に通知すること」となっています。
例えば、中古車を購入した場合、引渡しを受けたら実際に車を動かしてみて不具合の有無を確認し、不具合があれば速やかに販売店に通知することが必要になります。
なお、数量が不適合である場合や売り手が種類・品質の点で不適合であると最初から知っていたり、または容易に知り得る場合には期間の制限はありません。
今回の改正で、消費者側は問題の早期解決のための選択肢が広がったと言えます。
ただし、交換や修理を選択した場合で、消費者の希望と売り手の考えが対立した場合では売り手の考えが優先されます。
例えば、「中古車の修理のため、エンジンを交換して欲しい」との消費者の要求に対し、販売店側が「この場合、修理は高額になるので、別の中古車を手配します」というケースです。
消費者側に配慮した今回の民法改正ですが、「無条件で消費者の希望が通るわけではない」ということに注意しなくてはなりません。
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