今回は「境界トラブルの元は自ら作らない」がテーマです。
例えば、一人で飲食店に入った時にカウンターに通され、店員が隣席客との間にペンで直接テーブルに線を引くとします。
何となく線からはみ出してはいけない気分になるでしょう。
その後、料理が運ばれてきてもお皿がはみ出さないようにとても気を遣います。
そうこうしているうちに隣席客の皿が線をはみ出してきました。よく見ると肘もはみ出しており、つい心の中で呟いてしまいます。
「おい気付けよ、そこからは俺のエリアだぞ」。
正にそれが現実の境界に当てはまるのです。
境界を意識し過ぎることはストレスとなり、ひいてはトラブルの元にもなりかねません。
この例えの場合、もし店員さんがテーブルに直接線を引かなければ、決してこんなことにはならなかったでしょう。
この時、実は3センチしかはみ出していなかったのです。
勿論大事な財産ですので、悪意があって土地を隣地人から専有、あるいは越境されているのであれば対処が必要ですが、
必要以上に境界に干渉しないことが境界トラブルを起こさない方法の一つでもあるのです。
土地家屋調査士から境界確認(立会い)を求められた場合は必ず応じるようにして下さい。
あなたの所有している土地の隣を調査測量している可能性があります。
土地家屋調査士はその土地の権利者から依頼を受け調査測量をいたします。
つまり境界立会いに応じないということは、隣地人からのお願いに応じないということになってしまいます。
次にあなたが境界確認をお願いする側になった時、その隣地人は快く応じてくれるでしょうか。
次回は実際にトラブルになった場合の対処法を書きたいと思います。
投稿者プロフィール
- 土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記をお客様に代わって申請できる唯一の国家資格を持つ専門家です。不動産は高価な資産であり、正確に登記することが財産の保全にも繋がり取引の安全が計れます。当事務所では、昭和26年開業以来『迅速』『丁寧』『正確』をモットーにさまざまな業務を取り扱ってきました。豊富な経験を生かし、お客様が安心してご依頼いただける、まちの専門家であり続けたいと思っております。
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