①株式会社が建設業の許可を取得するには?(その1)

建設業は、住宅、道路、上下水道、学校、事務所、工場等の個人生活や社会生活の基盤となる諸施設の整備を担う重要な産業で、国民経済と深く関わっています。

建設業が調和のとれた産業として発達することは、公益的にも必要と考えられています。

この目的を達成する手段として建設業法は建設業を営む者の資質の向上を図るべく具体的な方策として建設業の許可制を定めています。

建設業とは(法第2条)元請、下請その他いかなる名義をもってするかを問わず建設工事の完成を請け負うことをいいます。

ここでいう請負とは、当事者の一方がある仕事を完成することを約束し、相手方がその仕事の結果に対して、報酬を与えることを約束する契約のことをいいます。

雇用、委任、建売住宅の売買などと基本的に異なる考え方をとっています。

許可を必要とする者(法第3条)ですが、建設業を営もうとする者は、次の工事(軽微な工事)を除き全て許可の対象となり、建設業の種類(業種)ごとに、国土交通大臣又は都道府県知事の許可を受けなければなりません。

許可を受けなくてもできる工事(軽微な建設工事)

1.建築一式工事以外の建設工事(例 内装工事業、土木工事業、他)→1件の請負代金が500万円(注)未満の工事(消費税込み)

2.建築一式工事(例 新築住宅工事等)で次のいずれかに該当するもの

※1
1件の請負代金が1,500万円(注)未満の工事(消費税込み)

※2
請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事 (主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上を居住の用に供するもの)

(注)
① 一つの工事を2以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額となります。
② 注文者が材料を提供する場合は、市場価格又は市場価格及び運送費を当該請負契約の請負代 金の額に加えたものが上記の請負代金の額となります。

 

建設業の許可の種類(法第3条)

ア: 国土交通大臣許可・・・二つ以上の都道府県に営業所がある場合大臣許可となります。
イ: 知事許可・・・一つの都道府県のみに営業所がある場合です。工事そのものは営業所の所在地に関わりなく他の都道府県でも行うことができます。例えば東京都知事から許可を受けた建設業者は都内の本支店のみで営業活動を行えますが、その本支店で締結した契約に基づいた工事は、営業所のない他道府県でも行うことができます。

※「営業所」とは請負契約の締結に係る実体的な行為を行なう事務所をいい最低限度の要件として契約締結に関する権限を委任された者がおり、かつ営業を行なうべき場所を有し電話、机等什器備品を備えていることが必要です。

 

営業所の要件(法第3条)について

営業所とは、本店、支店、または常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいい、一般的には次の要件を備えているものをいいます。

 

①外部から来客を迎え入れ、建設工事の請負契約締結等の実体的な業務を行っていること。
② 電話、机、各種事務台帳等を備えていること。
③ 契約の締結等ができるスペースを有し、かつ、居住部分、他法人又は他の個人事業主とは間仕切り等で明確に区分されているなど独立性が保たれていること。
④ 営業用事務所としての使用権原を有していること(自己所有の建物か、賃貸借契約等を結んでいること(住居専用契約は原則認められません)。
⑤ 看板、標識等で外部から建設業の営業所であることが分かるように表示してあること。
⑥ 経営業務の管理責任者又は建設業法施行令第3条に規定する使用人(建設工事の請負契約締結等の権限を付与された者)が常勤していること。
⑦ 専任技術者が常勤していること。

 

従いまして、単なる登記上の本店、事務連絡所、工事事務所、作業所等は、この営業所には該当しません。

 

投稿者プロフィール

コスモス行政書士事務所
コスモス行政書士事務所
飲食店や不動産業、運送業など営業を始める前にお役所の許認可が必要になるビジネスは意外と多いもの。当事務所では許認可の取得のお手伝いをしております。都庁での建設業許可の相談員も拝命しております。営業許可・許認可のことはささいなことでもお気軽にご相談ください。

100年ライフマネジメント

「100年ライフマネジメント」は、お客様の生活の中にある心配事を共に確認し、年代に応じた対策準備のお手伝いをする専属アドバイザー契約です。

月々1000円(税込)で専属アドバイザーには何度でもご相談いただけます。

ABOUTこの記事をかいた人

飲食店や不動産業、運送業など営業を始める前にお役所の許認可が必要になるビジネスは意外と多いもの。当事務所では許認可の取得のお手伝いをしております。都庁での建設業許可の相談員も拝命しております。営業許可・許認可のことはささいなことでもお気軽にご相談ください。