親の介護が必要になるきっかけとして、とても多いのが「入院」ということを皆さんご存知でしょうか。
例えば「風邪をこじらせてしまった」とか「転んで骨を折ってしまった」とか、
とにかくそれまでの生活環境が変化することが一因となり、何らかのサポートが必要になったという話はとてもよく聞かされます。
サポートどころか、状況によっては完全に寝たきり状態になることもあるわけです。
ここで心得ておかなければならないことは、最初に入院するところはあくまでも病院であって、長期療養するための施設ではないということです。
したがって怪我や病気の一定の快復がみられれば、思っていたより短い期間で退院させられてしまうのです。
そこで入院した時に、退院後の親の日常生活において何らかのサポートが必要になりそうだと感じたら、
まず入院中に介護保険の申請手続きを考えてみるべきでしょう。
注意すべきは意外と多くの方が、
『介護保険はお医者さんが薦めてくれて、手続きの手引きをしてくれる』と思い込んでいることです。
これは間違いで「医療」と「介護」は別物です。
介護保険(=介護認定)の申請は自己申告です。自分で申告しないことには介護認定を受けることはできないのです。
申請せずに介護認定を受けないまま介護サービスを利用すると、費用は100%自己負担になってしまいます。
また介護保険(=介護認定)の申請は親の住所地の市区町村窓口で出来ます。
今のうちに一度覗いておくのも良いかもしれません。申請してから認定まではおよそ30日くらいかかります。
要支援1・2、要介護1~5の7段階あり、結果に応じて決められた限度額の範囲内で介護サービスを利用出来るようになっています。
認定調査員との面談の時には、本人の他に必ずご家族の方の同席をお勧めします。
お年寄りには、昔気質の方がたくさんいらっしゃいます。
本当は困っているのに「大丈夫」、「全然大丈夫」と強がりを言ってしまう方が多いことが理由です。
このため、ご家族の方が本当の現状を訴える必要があるのです。
では、「介護」そのものについて少し触れてみたいと思います。
介護は、まずどこでするかを決めなければなりません。
明らかですが、「在宅」か「施設」かということになります。
「在宅」とは親の家(実家)、もしくは子供の家に分かれます。
それぞれ気をつけることがあり、かいつまんでみると、
実家では、例えば母が父を介護するような場合はむしろ「介護する母のサポート体制が整っているか」ということや、
「家の中に介護サービスを受け入れること等の了解が取れているか」ということが、注意すべきポイントになってきます。
子供の家では環境の変化や食事の習慣など、
親子でお互いに何でも気兼ねなく言えるように色々と工夫が必要で、気を遣うべきところであります。
施設については公的施設と民間施設に分かれますが、民間については実に様々な種類の施設があり、
それぞれの特徴や費用の面等をよく調べてみる必要があります。
下見や見学会への参加はどんどんした方がよいと思います。
前回は将来かかるであろう医療費のことを『リスク』と捉え、その対策の必要性をお話ししましたが、
今回の介護の問題も『長生きリスク』のうちの一つであり、遅かれ早かれ誰もが直面する問題です。
今のうちからしっかりと考え、家族内でも話し合い、いざというときのために家族の意思を統一しておくことが重要です。
もちろん後々の遺産分割問題にも関わってくることもであるわけです。
話の仕方や相談の持って行き方で悩んでいるなら、
ぜひ一度、まちの専門家グループへ声をお掛け下さい。
投稿者プロフィール
- 経験豊富なアドバイザーがお客さま一人一人の専属担当となり、問題解決のために必要となるプロジェクトチームを編成。お客様と専門家をワンストップでつなぎます。独自の専門家ネットワークで、ファイナンシャルプランニング設計をはじめ、複合的なご相談の窓口としてご利用いただけます。
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