【明治以来の大改正】意匠法改正で保護されるデザインとは?

内装意匠

近頃の急速なオンライン化でネットショッピングの需要が増える中、実際に店舗に来店した顧客に向けて、内装デザインなどを工夫し、オンラインでは実感できない特別な体験を提供することが重要となってきました。

同時に外装デザインにおいても、デジタル技術を駆使した「プロジェクションマッピング」の画像などを保護する必要性も高まってきました。

そこで、意匠法を見直し、従来保護されていなかったデザインを保護して、意匠制度を強化する目的として、令和元年に意匠法が改正(2020年4月1日施行)されました。

これは「明治以来の大改正」とも言われており、意匠登録を受けられる意匠(デザイン)の概念が大きく変化したことになります。

法改正前、意匠は物品を前提とし、物品の形状、模様等について保護が受けられるものとしていましたが、法改正により、物品の概念に含まれない建築物及び画像も意匠として登録を受けられるようになりました。
建築物としては、ビル・住宅・病院・競技場・橋梁等種々ありますが、ビル等を建設するときは、今まで無関心であった意匠についても権利の存在について注意する必要があります。

画像については、法改正前でも画像がパソコンやカメラなどの機器に記録されていることなどを要件として保護を受けることができましたが、
法改正により物品(機器)から離れた画像自体が画像意匠として保護対象とされるようになりました。
これによって、機器に記録されていないウェブサイトの画像、アイコン用の画像、スクロールバー用の画像も保護されます。

また以前、コンピュータで作成したCGとプロジェクタ等の映写機器を用いて、東京駅や姫路城の外壁にきらびやかな画像を投影して装飾を施した、いわゆる「プロジェクションマッピング」が行われたことがありましたが、こうした画像も画像意匠として保護されることになります。

さらに店舗・事務所その他の施設の内部の設備及び、装飾を構成する物品等についての意匠が内装の意匠として保護対象に加わりました。
この内装の意匠の構成要素としては、机・椅子・棚・照明等の什器や、床・壁・天井等の装飾等が該当します。

どのような物品(机等)をどのようなレイアウトで配置するかにより、様々な内装の意匠が構成されることになります。

参考までに内装意匠の登録例(登録第1671152号)を掲載します。

この登録意匠は、書店の内装の意匠であり、机の形状、配置と壁面の書棚の形状、配置が意匠の要部となっています。
しかし、レイアウトを時々変える場合は、関連意匠を別途出願して登録を受けることを心がけるべきです。

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アルス国際特許事務所
アルス国際特許事務所
特許・実用新案としては主に、プラスチック・洗剤・機械・光学機器部品・建築・材料・日用品を取り扱っており、営業戦略的に価値ある特許取得を目指します。意匠としては、光学機器部品・清掃具関係を主に手がけております。商標については、ネーミングの段階からご相談に応じております。主要国の外国代理人とは密に連携しておりますので、緊急な案件にも速やかに対応できます。

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