【私が土地家屋調査士になるまで】運命的に導いた二つの言葉

土地家屋調査士イメージ

なぜ『土地家屋調査士』になったのか…
そこに至るストーリーをお伝えしたいと思います。

私が『土地家屋調査士』になるために、二つのある言葉がターニングポイントとなって、私の運命を『土地家屋調査士』へ導いてくれました。

 

ある企業の最終面接でのひと言

一つ目の運命の言葉はとある企業の社長様から発せられました。

当時、就職活動中の大学4年生であった私は、ある企業の最終面接まで行き、大きな会議室で社長や役員の方たちと対峙していました。
広告代理店であったその会社から、「経営難に陥る英会話スクールを立て直すべく、集客の見込める広告をプレゼンせよ」という課題が最終選考でした。

2週間の準備期間があったため、私なりに熟考し2度目のハネムーン作戦と題し、リタイヤした世代をターゲットにした広告を打出すという内容でプレゼンを行ないました。
その頃は「これから高齢社会が始まる」と言われていた時代で、「定年を迎えたお父さん、子育てを終えたお母さんに英会話を学んでもらい、もう一度ハネムーンへ行こう」という、今思えば赤面したくなるような中年ラブロマンスでした。
それは今より汚れていなかった私の心の現れでもありました。

プレゼン中、冒頭部分のみ聞き、その後ずっと目を閉じていた(恐らく寝ていたと思われる)社長がプレゼンを終えたばかりの若き日の私にひと言、

『愛人と一緒に行くほうが楽しそうだな』とニヤついた顔で発言し、その場は笑いに包まれました。

それはアイデアに対するアドバイスなのか、本人の主観なのか、もはやそのどちらでもよくなっていた私は就職活動をする気力すら奪われてしまうほどの落ち込みをその時に経験しました。
就職氷河期で何社もの面接に落ち、やっとの思いでたどり着いた最終面接での『あの一言』は私の心を完全にへし折るには十分すぎるものでした。

資格取得イメージ

祖母が孫一同を集めて発した言葉

「就職はしない、ではどうするか…」と迷っていた私に次の運命が訪れました。

それは祖母が正月の集まりに孫一同を集めて発した、『おじいちゃんのお仕事、知っている人いるかな?』という言葉でした。

当時、父が測量設計事務所を営んでおり、先代は祖父だという事は知っていましたが、二男である私は家業を継ぐという選択肢は幼少の頃からなく、故に全くというほど家業に関心がなかったために、祖父は『測量士』というイメージしかありませんでした。

そんな中、『土地家屋調査士』という単語が祖母の口から出てきたときの、初めて聞いたその言葉の響きに胸騒ぎをしたのを覚えています。

祖父は今でいう資格マニアで、『2級建築士』・『測量士』・『宅建士』・『土地家屋調査士』という資格を有しており、そのすべてを業務としてやっておりました。

そして『土地家屋調査士』に一番重きを置いて仕事をしていたということは後に知ることになりましたが、『土地家屋調査士』のみ身内に継いでもらえる者がいなかったという中での祖母の『土地家屋調査士試験を誰か受けてみない?』というお願いだったのです。

資格取得イメージ

二つの運命的な言葉

それからのこと、全てが上手くことが進んだわけではありません。『測量士補』を取得すると、土地家屋調査士1次試験が免除になるため、まずは測量士補試験に標準を定めてからのスタートでした。

就職しないと決めたのにも関わらず、2度目の不合格のあとは実務を学ばないと試験に受からないと考え、土地家屋調査士事務所で修業もさせて頂きました。
1年目で『測量士補』は合格したものの、『土地家屋調査士』は毎年のように不合格でした。

そしてようやく試験に合格したのは26歳の時。唯一の心残りであった最後の『土地家屋調査士』というピースが埋まった祖父は大変喜んでくれました。
その後、私が30歳の時に家業の業務から『土地家屋調査士業』だけを分社化して現在の『土地家屋調査士法人 白石事務所』を設立するに至りました。

測量機イメージ

祖父は私が36歳の時に他界しましたが、生涯現役を誓い90歳まで『土地家屋調査士』として邁進し、短い師弟関係ではありましたが、知識や技術、そして立ち振る舞いなど、さまざまなことを継承してくれました。

もちろん今があるのはたくさんの人との出会いがあってのことではありますが、二つの運命的な言葉は紛れもなく私を『土地家屋調査士』に導いてくれたのは間違いありません。

最後に、あの社長様にこの場を借りてお伝えさせて下さい。

『心をへし折って頂きありがとうございます。お陰様でとてもやりがいのある仕事に出会うことができました。そして今だから分かりますよ、「愛人と旅行に行ったほうが楽しいそうだな」』と。

土地家屋調査士:白石雅晴

土地家屋調査士法人 白石事務所 土地家屋調査士:白石雅晴

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土地家屋調査士法人白石事務所
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土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記をお客様に代わって申請できる唯一の国家資格を持つ専門家です。不動産は高価な資産であり、正確に登記することが財産の保全にも繋がり取引の安全が計れます。当事務所では、昭和26年開業以来『迅速』『丁寧』『正確』をモットーにさまざまな業務を取り扱ってきました。豊富な経験を生かし、お客様が安心してご依頼いただける、まちの専門家であり続けたいと思っております。

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