再生可能エネルギー利用拡大のための取り組み
政府は2025年までに「ゼロエミッション」の実現に向けて、再生可能エネルギー利用拡大を推進しています。
気候危機が一層深刻化する中、世界は2050年CO₂排出実質ゼロという共通のゴールに向けて歩みを進めています。
「2050年カーボンニュートラル」取組みの一環として「2030年カーボンハーフ」の推進も進んでいます。
そして、各自治体がカーボンニュートラルに取り組む中、例えば東京都は2050年ゼロエミッションの実現に向けては2030年までの行動が極めて重要とし、2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減(2000年比)する「カーボンハーフ」を表明しています。
この取り組みの一環として、再生可能エネルギーの利用拡大のため、再生可能エネルギーのひとつである「太陽光発電」に関する様々な取り組みが始まっています。
東京都では…
① 都内CO2排出量の7割が建物でのエネルギー使用に起因している。
② 2050年時点では、建物ストックの約半数(住宅は7割)が今後新築される建物に置き換わる見込みである。
③ 2050年の東京の姿を形作る新築建物への対策が極めて重要になる。
④ 都内の大きなポテンシャルは“屋根”である。
⑤ 現状、都内の住宅屋根への太陽光発電設備設置量は限定的であり、大都市ならではの強み “屋根”を最大限活用する。
⑥ 家庭部門のエネルギー消費量は2000年度比で唯一増加(各部門別)しているので一層の対策強化が必要である。
…としています。
現在、延床面積2,000㎡以上の大規模新築建物を対象とした、建築物環境計画書制度の運用を行なっている一方で、着工棟数が築多い延床面積2,000㎡未満の中小規模新建物に対する仕組みがないことから、この部分の対策を強化していく必要があると考えています。
太陽光パネル義務化でハウスメーカーに求められること
さて、この太陽光パネルの設置義務者はハウスメーカー等の事業者です。
ハウスメーカー等の住宅供給事業者は、注文住宅の建設事業者や建売住宅を新築し販売する事業者として、都が定める指針に基づき必要な措置を講じ、環境への負荷低減に努めるよう求められることになります。
こうした事業者のうち、大手住宅メーカーのみを対象に、一定以上の新築住宅などに太陽光パネルの設置を供給義務付ける制度になっています。
太陽光というと…
「日当たりの悪い住宅や狭小な住宅などについても、必ず太陽光パネルを設置しなければならないのか?」
…というような疑問もありますが、屋根面積が一定規模未満の住宅等については太陽光パネルの設置対象から除外することが可能なようです。
また必ずしも太陽光だけに限定しているわけではなく、太陽熱や地中熱などの再生可能エネルギーについても制度の対象なります。
ではハウスメーカーではなく、注文住宅の施主には何を求められるのでしょうか?
ハウスメーカー等が注文住宅の施主等に対して、断熱・省エネ、再エネ等の環境性能に関する説明を行ない、施主は「環境性能についての理解を深め環境負荷軽減に努める」という観点から検討の上購入等について判断をすることになります。
また、建売分譲住宅の購入者等には東京都が必要な情報提供を行なうとしています。
はたして東京都が導入する新たなこの制度は、注文住宅の施主や建売分譲住宅購入者等に経済的な負担を強いることになるのでしょうか?
この制度は注文住宅の施主等が住宅の断熱・省エネ性能の向上、再エネ導入等について、必要な措置を講じ環境負荷低減に努めるという立場を踏まえて、住宅の注文等を判断する仕組みになっています。
太陽光パネル設置義務化はいつから?
この住宅への太陽光パネルの設置義務化はいつから開始する予定でしょうか?
今後2年間程度の準備・周知期間を設け、令和7年4月に施行となります。
東京都だけではなく、米国では2019年ニューヨーク市で新築及び大規模屋根修繕する建築物への太陽光発電または緑化を義務化、2020年以降はカリフォルニア州でも州内全ての新築住宅に太陽光発電設置の義務化を行なっています。
ドイツでは州政府において、太陽光発電義務化条例を制定しているほか、ベルリン州では2023年1月1日から住宅への太陽光発電の設置義務化が開始されています。
日本においては2022年から京都府・市で一定規模以上の新築建等を対象に設置の義務化を行なっています。
また群馬県や川崎市でも設置の義務化が検討されています。
太陽光パネルを設置するだけでも建設業の許可が必要?
注文住宅を建築一式工事で施工する場合、
① 1件の請負代金が1,500万円未満の工事(消費税込)
② 請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事 (木造住宅とは、主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上を居住の用に供するもの)
のいずれにも該当しなければ建設業の許可が必要になります。
また、太陽光パネルを設置するだけの工事の場合は1件の請負代金が500万円未満の工事(消費税込)に該当しなければ、建設業の許可が必要になります。
請負代金には、「注文者が材料を提供する場合は市場価格または市場価格及び運送費を当該請負契約の請負代金の額に加えたもの」が上記の請負代金の額となります。
太陽光パネルの価格も請負代金に含まれると考えられ、施工会社は今まで以上に建設業の許可を求められるかもしれません。
建設工事を行なう会社が建設業の許可を取得するためには、一定のスキルがある技術者がいることや会社の資産要件等があることが審査されます。
令和7年の施工に向けて建設業許可取得の必要性が高まるものと思われます。
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