「代償分割」とは、相続における遺産分割方法のひとつで、
「特定の相続人が分割するのが困難な遺産を相続し、それ以外の相続人が遺産を取得した相続人から代償金を受け取る」
…という内容の分割方法のことをいいます。
被相続人の自宅に同居していた相続人が住み続ける場合や、
農業・事業などに利用する事業用不動産を相続する場合、
法人の経営を引き継ぐために非上場株式を相続する場合
などに利用されることが多い分割方法です。
代償分割のメリット
● 遺産分割をスムーズに行える
● 公平に遺産分割を行える
● 相続税を節税できる可能性がある
遺産分割をスムーズに行える
不動産を相続する人にとってのメリットは、土地や自宅などの遺産をそのままの形で取得できることです。
これは、ほかの相続人にとっても、分割しにくい遺産をスムーズに処理できるというメリットになります。
例えば、「被相続人の土地や建物を使って、農業・事業をやっていこう」と考えている相続人がいる場合に、土地や建物を遺産分割することになったら、とてもややこしいことになります。
代償分割を使うことで農業や事業をスムーズに引き継ぐことができるのです。
また、遺産となる自宅に同居していた配偶者や親、子などにとっては、遺産分割によって自宅に住めなくなるような事態を防げるため、好都合です。
公平に遺産分割を行える
代償分割は、不動産を受け継いだ相続人と、不動産の代わりに代償財産をもらう相続人に不公平が生じないよう分割できることが大きなメリットです。
例えば、被相続人である父が残した3,000万円の価値のある土地と建物を、長女と次女の姉妹が相続する場合、姉がそのまま土地と建物をもらってしまうと妹の取得分がなくなります。
また、姉妹の共同所有とした場合、管理でもめたり、売却の際にトラブルが発生したりします。
さらに姉妹の子の代以降も共有が続き、子の代以降に売却する際、もめることも予想できます。
対して代償分割を利用して、姉が土地と建物を取得する代わりに妹に1,500万円を支払えば、姉妹は公平に遺産を相続することになります。
相続税を節税できる可能性がある
建物や土地を取得した相続人は、相続税における「小規模宅地等の特例」という特例の適用を受けることができる可能性があります。
例えば、被相続人と同居していた相続人が代償分割によって自宅を相続した場合、要件が満たされていれば、自宅敷地の評価が80%減額され、相続税がその分減少します。
このように、「代償分割」には様々なメリットがあります。
遺産分割に関するお悩みは、是非、私たち「溝淵司法綜合事務所」にご相談ください。
投稿者プロフィール
- 昭和54年の開業以来一貫して「お客様第一」の姿勢を徹底しております。 進化する生活の町「武蔵小杉」を基盤にもっとも身近なリーガルアドバイザーを目指し、総勢35名のスタッフで業務を行っています。 お客様との「信頼関係」それが私たちの財産です。 これからも、お客様のおかげで私たちがあることを忘れずに、お客様第一主義 を徹底いたします。
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