皆さんが普段運転する自動車について、「自動運転」という言葉を聞かれたことがあるかと思います。
2020年11月5日から、5Gを利用して新宿区内で自動運転タクシーの実証実験が行なわれ、アメリカの自動車会社であるテスラ社のCEO、イーロン・マスクは「本年度中にレベル5(完全自動運転)を実現させる」などと言っています。
つまり自動運転は遠い未来の話ではなく、近い将来に皆さんの生活の中に入ってくる可能性があるのです。
そこで今回は自動運転における法的な責任について、お話ししたいと思います。
なお、現時点では完全自動運転を前提にした法整備はなされておらず、今後法整備がなされるものと思われますので、以下はこの点を前提にお話しを進めていきます。
自動運転とは
現在、私たちは自動車をアクセルやブレーキを踏み、ハンドルを操作することで、走行、停止などの操作をして運行しています。
自動運転というのは、これまで運転者が行ってきた上記のような操作をシステムが実行することをいいます。
自動運転が実現することのメリットとして、一般的に人間による運転よりも安全かつ円滑な運転が可能となり、その結果、交通事故の削減、交通渋滞の緩和などが生じると考えられています。
また、ドライバーの運転における負担の軽減も見込まれていますし、過疎地などの交通網などとしても期待されています。
自動運転についてはアメリカを中心として、運転者が行うべき内容を踏まえた分類がされています。
日本においても運転者がどの程度の対応を行うかについて、平成30年9月に「自動運転車の安全技術ガイドライン」が策定されましたが、そこでも以下の5段階に分けられています。
レベル3以上は自動運転システムが実行することになりますが、レベル3と4の場合には、特定の条件のもとでのみ自動運転が行われます(レベル5はいかなる条件でも自動運転が行われることになります)。
またレベル3の場合には、自動運転システムの継続が困難な場合には運転者が引き継ぐことが求められています。
2020年4月に施行された道路交通法においては、レベル3の自動車を公道で運転することが認められています。
具体的にはレベル3の自動車を運転する際には、自動運転がされているなどの条件下において、スマートフォンの操作などをしても道路交通法違反とはならないなど、普通に運転する場合とは異なる取り扱いがされることになります。
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