「不動産の名義を変更したいのですが…」というご相談をよく受けます。
不動産の名義を変更するには「理由(原因)」が必要となります。
色々な「理由(原因)」がありますが、個人の方で多いのは、例えば、「売買」・「贈与」・「相続」・「財産分与」などです。
「売買」は対価としてお金を払い、名義変更をします。
「贈与」は対価なしに名義変更をする場合、「相続」は不動産所有者がお亡くなりになった場合、「財産分与」は離婚を原因として財産をわけた場合となります。
今回はその中で「売買」、中でも「親族間で売買」をした場合の注意点をお話します。
親族間売買の落とし穴
売買といえば、一般的に不動産屋で物件を探して購入するイメージが強いと思います。
売りたい人、買いたい人の間に入って不動産仲介会社が手続きをしてくれます。
親族間売買の場合は売りたい人、買いたい人は決まっています。
なので、「不動産仲介会社は必要ない」、「自分たちで手続きができる」と考える方も多いですが、不動産売買には落とし穴がたくさんあります。
最も重要なのは「売買代金の決め方」です。
売買金額が高すぎても安すぎても、税務上「贈与」の問題が出てくるため、価格は慎重に検討する必要があります。
後日のトラブル防止のためにも売買契約書は作成しましょう。
一般的な売買の流れ
① 売買金額・買主を決める
② 不動産を調査する
③ 売買契約を締結する
④ 登記の書類を準備する
⑤ 代金の支払いを行う(※)
⑥ 入金の確認を行う(※)
⑦ 引き渡しと所有権移転登記手続きを行う(※)
(※)は通常、同日に行います
売買契約書作成の注意点
また、売買契約の条件について建物に欠陥があった場合、設備が使えなかった場合、どちらが修理するのか、土地に何か埋まっていた場合はどうするか、等々、事前に話し合って決めておくことも必要です。
また、不動産についても「道路持分の移転を忘れていた」ということにならないように事前に調査する必要もあります。
購入代金について、現金で支払う場合は問題ありませんが、金融機関に借りる場合は原則親族間売買は認められません。
一部融資可能な金融機関もありますが、不動産仲介会社が間に入って契約書を作成することが条件であったりしますので、事前によく確認してください。
税務上の控除や特例を利用する場合も親族間であれば、適用除外になることもありますのでご注意ください。
親族間だからと売買契約も作成せず、登記を済ませてしまった場合、やり直しは簡単にできません。
税金面、契約の条件面など、気をつけるところはたくさんあります。
必ず専門家に相談の上、手続きをされることをお勧めいたします。
司法書士は不動産登記手続きの専門家です。
不動産売買についても多く経験しています。
「親族で不動産を譲渡したい!」という時はぜひ司法書士にご相談ください。
投稿者プロフィール
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不動産登記、商業登記、成年後見関連手続きを業務内容としており、手続面だけではなく、老後の不安への対策までご提案いたします。
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