【経営者向け】老後生活のための退職金と年金講座

オーナー経営者

オーナー経営者(個人事業主を含む)は会社員とは異なり、定年はありません。

しかし、いつかは引退してこれまで蓄えてきた資産や年金で生活を送ることになります。
経営者の周りには、税理士や生命保険会社の人など金融商品に詳しい人がたくさんいると思いますが、意外にも、老後資金を計画的に積み立てていない中小企業経営者が多いことに驚きます。

そこで、中小企業経営者の老後生活のための主な退職金積立制度と公的年金の上乗せ制度についてご紹介します。

定年退職者

■ 外部積立てを活用した退職金制度

【1】小規模事業共済

小規模事業共済は経営者や役員、個人事業主向けの退職金積立制度です。
掛金は月額1,000円~から70,000円の範囲内で自由に設定できます。掛金は前納もできます。
メリットとして掛金の範囲内(10万円以上2,000万円以内)で事業資金の借入れができます。
掛金は全額所得控除で、一括受取りは退職所得扱い、分割受取りは公的年金等の雑所得扱いとなります。

留意点としては解約の際、加入者の立場(個人、法人、共同経営者)や請求事由によって受取額が異なることです。
また、加入期間6~12ヵ月未満での解約は掛捨てとなります。

なお、小規模事業共済に加入できる経営者等は建設業、製造業、運輸業、不動産業、宿泊・娯楽業等であれば、常用労働者数20名以下の会社(個人事業主を含む)であること、
卸・小売業、サービス業等であれば常用労働者数5名以下になります。

【2】経営セーフティネット(中小企業倒産防止共済)

経営セーフティネットは、通称「倒産防(とうさんぼう)」と呼ばれていて、取引先が倒産した際に、中小企業の連鎖倒産を防ぐための共済制度です。
無担保・無保証で被害額または掛金総額の10倍まで借入れができます。また、取引先が倒産していなくても解約手当金の95%の範囲内で借入れが可能です。

掛金は月額5,000円~20万円の範囲内で自由に選択できます。経営者の退職金積立としても活用できますが、積立上限額は掛金総額で800万円までとなります。
※掛金は法人は損金、個人事業主は必要経費扱い

なお、解約の際、加入期間12ヵ月未満は掛け捨て、12ヵ月以上は8割以上戻り、40ヵ月以上で掛金全額が戻ります。

【3】生命保険

生命保険は数種類ありますが、本稿では退職金の積立てとして利用される養老保険について解説します。

養老保険は、経営者や従業員の万が一の保障に備えるための生命保険であり、かつ、将来の退職資金を積み立てることができる制度でもあります。
掛金(保険料)は、定年年齢と保険金額(死亡保険金)によって決まります。

通常、保険料は支払保険料のうち1/2は保険積立金として資産計上となり、残りの1/2は福利厚生費として損金算入扱いとなります。
解約または満期による保険金は、死亡の場合は遺族に、それ以外の場合は会社に支払われます。

注意点としては、役員または特定の使用人のみを被保険者としている場合や、大半が同族である場合は損金部分は福利厚生費ではなく、給与扱いとなります。

年金イメージ

■ 公的年金の上乗せ制度

【1】 国民年金基金

個人事業主の場合、多くの人が国民年金に加入しています。国民年金の保険料は収入に関係なく月額16,610円(令和3年度)です。40年間加入すると月額で約65,000円の老齢基礎年金が支給されます。

国民年金のだけでは低額のため、上乗せ制度として国民年金基金があります。
国民年金基金は全国国民年金基金と職能型国民年金基金の2種類がありますが、双方とも事業内容は同一です。
加入は口数制で、年金額や給付の型は自分で選択します。加入する口数によって受け取る年金額は異なります。ここでは、詳しい条件は割愛します。

【2】 確定拠出年金(日本版401K)

確定拠出年金(401K)は、個人が任意で加入する個人型(通称、iDeCo)と企業が導入する企業型の2種類があります。個人型は金融機関が取り扱っています。
ここでは、老後の資産形成以外にも社会保険料削減と節税のメリットが大きい401Kについて解説します。

401Kは厚生年金の上乗せ制度で、会社または従業員が掛金を拠出します。いくつかの金融商品から加入者が選択して、自分の年金資産を運用する制度です。そのため、高利回りも期待できますが、元本割れリスクもあります。

掛金は確定給付企業年金を実施していない場合は、月額55,000円以内(実施している場合は月額27,500円以内)です。

掛金は…

① 会社と従業員の双方が拠出 ② 会社のみ拠出 ③ 従業員のみ拠出

…から選択できます。

また、掛金について法人は損金(個人事業主は必要経費扱い)、受取り時は所得税・住民税ともに控除、運用益は非課税となり、税制上優遇されています。

社会保険料や税金(所得税・住民税)は給与総額に対してかかりますが、401Kに加入の場合、給与総額から掛金を控除した残りの給与総額に対して社会保険料や税金(所得税・住民税)がかかります。
そのため、加入者及び会社負担の社会保険料削減と加入者の節税になります。

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社会保険労務士法人 ジンザイ
社会保険労務士法人 ジンザイ社会保険労務士
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