【知って得する】あなたの遺産を友人に譲り渡す方法

先日、残念ながらタレントの志村けんさんが新型コロナウィルスが原因でお亡くなりになりました。
その死亡という衝撃の事実は未だに忘れることができません。その後,後輩芸能人である大悟さんが志村さんの遺産であった愛車のキャデラックを譲り受けたというニュースが流れました。 親しくしていた先輩の遺産(形見)を譲り受けたいと思ったのでしょう。 しかし、亡くなった方の遺産を取得する方法は民法で規定されており、取得を希望したからといって無制限にその希望が叶うわけではありません。
では、どのような場合に遺産を取得することができるのでしょうか?

志村けんイメージ

相続人としての相続

民法には遺産を相続することができる法定相続人が定められています(民法887条~890条)。相続人であれば相続人の間で話し合いをすることによって、遺産を相続することができます。
ただし相続人は配偶者、子ども、親、兄弟姉妹、養子など親族に限られます。したがって、いくら生前仲が良かったとしても大悟さんには相続権はありません。

遺言による遺贈

民法で定められた法定相続人以外に遺産を譲渡させる方法として、第三者に遺産を遺贈、つまり譲渡するという遺言書をあらかじめ作成しておくことが考えられます。 そうすることで、法定相続人ではない第三者に遺産を譲渡させることができます。
しかしながら、遺贈は事前に遺言書を作成しておかなければならないので、今回のように新型コロナウィルスで突然亡くなった場合に、そのような遺言書を残していたかは不明です。

特別縁故者に対する相続財産の分与

法定相続人がいない場合、遺産は原則として国が取得します(民法959条)。しかし、例外的に法定相続人以外の人の請求によって遺産を取得できる場合があります。
それが「特別縁故者」に対する相続財産の分与です(民法958条の3)。
「特別縁故者」とは亡くなった方と生計が同じだった人、療養看護に努めた人、その他亡くなった方と特別な縁故があった人を言います。
例としては内縁の妻(夫)、義理の娘(息子)、頻繁に面倒を見てくれた親族や知人などがあげられます。
今回の場合、志村さんにはテレビに映されていたように実のお兄さんがいるので、そもそも「特別縁故者」に対する相続財産の分与はなかったと思われます。
また、仮に法定相続人がいなかったとしても、志村さんが新型コロナウィルスにより短期間で亡くなったことからすると、 生活を共にしていたわけでもなかったであろう大悟さんが「特別縁故者」に該当するとは考えにくいといえます。

売買

現実的に考えられるのは法定相続人がいったん遺産を相続し、その法定相続人から売買で遺産を買い取ることです。 資産がある人の相続は多額の遺産を取得する反面、相続税の納付に苦労することが多々あります。
具体的には不動産を多く所有していたが金融資産が少なかったため、多額の相続税を支払う余裕がない場合です。 そのような場合、原則として相続税申告までに不動産を売却して相続税の原資をつくらなければなりません。 相続税申告の期限は亡くなった日から10カ月ですが、10カ月は意外と短いことから早く換金する必要があるのです。
今回は大悟さんが志村さんの法定相続人から売買で購入した可能性が高いと思います。 つまり、大悟さんが取得したのが大型で高級なキャデラックということなので、 法定相続人は「取得する必要がなく現金化したい」、または「大事に使ってくれる人に譲りたい」という想いがあったのではないでしょうか。

最後に

以上のとおり遺産の取得方法を挙げましたが、遺産は財産であると同時に形見という側面があります。
自分の遺産を死亡後「誰に」、「どのように」使ってほしいかを事前に考えることも必要かもしれません。

(写真はイメージです)

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原・井上法律事務所
原・井上法律事務所
当事務所はさまざまな分野の法律紛争に対応しておりますが、案件としては相続事件がやや多めになっております。相続対策は早いほど効果的。気になることがある方は一度ご相談ください。平成25年4月 当事務所の弁護士たちで、東洋経済新報社より『新版 図解 戦略思考で考える「相続のしくみ」』を上梓しました。事務所は、アクセスの良い銀座一丁目駅にあります。まずはお問い合わせください。

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