今年の10月1日にたばこ税の増税による値上げが行われる予定となっています。
度々の値上げや禁煙スペースの拡大、喫煙所の減少で、喫煙者は肩身の狭い思いをしているのではないかと思います。
ところで、たばこ税の増税は喫煙者だけでなく、非喫煙者にとっても大きな影響を及ぼす可能性があることをご存知でしょうか。
そこで、今回の記事ではタバコ税とその税収における影響を紹介いたします。
まずは、近年の税率や値段の変化についてみていきましょう。
令和元年9月31日以前、たばこ級品とそれ以外で税率が異なっていました。
旧三級品とは、わかば・エコー・しんせい・ゴールデンバット・ウルマ・バイオレットの6つの銘柄で、これらのたばこには他のたばこより低い税率が適用されていたのです。
しかし、たばこの値上げに伴って比較的安い銘柄に客層が流れたためか、旧三級品の税収が近年非常に増加傾向にあったのです。
そのため、旧三級品に係る特例税率は廃止され、価格が高騰することとなりました。
これら旧三級品のうち、わかば、エコー、ゴールデンバットは既に生産中止となってしまいました。
たばこの価格は増税の影響を大きく受けてきました。現在のタバコの値段の内訳を見ていきましょう。
こうしてみると、合計で税金だけで61.8%を占めていることがわかります。これはたばこ20本のうち12〜13本分が税金というということになります。
では、世界と比較した際に日本のたばこの値段は高いのでしょうか?
たばこ10本の価格で比較すると…
こうしてみると、EUなどの先進諸国と比べて、日本のたばこの値段は決して高くないことがわかります。
また、実は日本だけではなく各国で税率は上がる傾向にあります。
理由としては「若者の購買意欲を削ぎ依存を防ぐ」という目的が大きいようです。
価格の上昇や世の機運により、たばこの消費量は年々減っている一方で、たばこによる税収は年に2兆円ほどをキープしています。
これだけの財源となっているのですから、たばこ税は国にとっても地方自治体にとっても非常に重要なものなのです。
特に、市町村はたばこ税に大きく頼っている面があります。
例えば、みなさんが普段払っている消費税は全体の税率の10%のうち、国に対する税率が7.8%、地方に対する税率は2.2%となっています。
一方でたばこ税は先ほどあげたように国に対する税率が23.3%、地方に対する税率が26.4%となっており、国よりも地方に入る税金が多いのです。
しかし、税率を一気に上げてしまうと、急激なたばこ離れによる税収の低下が見込まれることは避けられません。
そのため、国はたばこの増税について慎重な協議を重ね、段階的な増税を図っています。
もし、たばこ税の大幅な増税により税収が急激に落ちた場合、日本全体に影響があることはいうまでもありません。
他で税収を補おうと、他の生活必需品が増税される可能性も出てくるでしょう。
このように、たばこ税の増税は喫煙者の問題のみならず、日本国民全体にとって重要な話なのです。
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