労災保険の加入条件と間違いやすいポイント

ご存知の通り労災保険は仕事中や通勤途上に事故・災害にあって、ケガをしたり、病気になったり、障害が残ったり、死亡した場合に本人や遺族のために必要な保険給付を行う制度です。

労災は2種類あり、仕事中の災害は業務災害に、通勤途上は通勤災害になります。

今月は、労災保険の加入条件、健康保険との相違点、誤解しやすいポイントについて、改めて確認したいと思います。

 

① 労災保険の加入条件 

労災保険に入る、入らないは自分で決められるものではありません。
労働者の保護を目的とした労災保険は、労働者一人ひとりが個人で加入するものではなく、
会社が加入し、その会社で働く労働者全員に適用される保険制度です。

原則として全ての事業に適用され、一人でも労働者を雇用している事業所は、
事業を始めた日から強制的に労災保険の適用事業所となります。

しかし、事業主や法人役員(兼務役員除く)、事業主と同居する親族は労災保険が適用されません。
(中小企業の事業主や一人親方等であれば、労災保険の特別加入制度が利用できます。)

② 健康保険との違い 

仕事中や通勤途中におけるケガ、業務に起因したが病気などは労災保険の適用を受けるのに対し、
業務と関連性のないケガや病気などは健康保険の範囲になります。

労災保険の治療費には原則として個人負担はありません。
また、仕事を休んだ場合に所得保障として合計して賃金の8割程度が補償されます。

一方、健康保険の治療費は、原則、個人負担3割で、
仕事を休んだ場合の所得保障は賃金の67%程度が補償されます。

③ 労災保険の間違いやすいポイント 

◎ 労災保険は正社員やパートなど雇用形態に関係なく、会社から賃金の支払を受ける人は全て適用を受けます。1日だけのアルバイトでも、労災保険の給付が受けられます。

◎ 労災保険は業務との関連性が認められなければ給付されません。俗にいわれる「ぎっくり腰」は発症原因が日常的な動作の中で生じるので、たとえ仕事中に発症したとしても、労災補償の対象とは認められません。(ただし、発症時の動作や姿勢の異常性などから、腰への強い力の作用があった場合には、業務上と認められることがあります)

◎ 休憩時間を利用しての私的行為(キャッチボール、ジョギング等)は、その行為中に負傷しても業務災害と認められません。

◎ 会社へ届出ている通勤経路でなくても、通勤のために通常利用する合理的な経路であれば、通勤災害として労災保険が適用されます。

◎ 通勤経路の途中に寄り道した場合、日用品の購入等、日常生活上必要な行為であって、やむを得ない理由により最小限度の範囲で行う場合には、逸脱又は中断の間を除き、合理的な経路に復した後は再び通勤となります。

◎ 直行直帰の営業社員が自宅から訪問先に向かう途中については、特定区域を担当し、通常担当している区域内に直行直帰する場合は、通勤災害となります。(営業活動を行っている間の移動は業務災害)しかし、特定区域をもたない飛び込み営業などの場合は、出張と同様に自宅から訪問先(出張先)へ向かう途中は業務災害となります。

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